Q.1 | (大和川線の工事現場に)なんで大きなロボットみたいなのを作ったのですか? |
A. | トンネルの作り方には山岳工法、シールド工法、開削工法、沈埋工法(参照
土木学会HP)
があります。
この大きなロボットみたいな機械はトンネルを作るためのシールド機で、これで穴を掘りながらトンネルを作っていきます。 |
Q.2 | もぐらの機械(シールド機)はどうやって動くのか? |
A. | シールド機は自動車のようなエンジンではなく、一般の家と同じ電気で動きます。機械の規模が大きいので一般家庭で使う電気(1軒当り10KWと想定)で例えると200軒分の大きな電気が必要となります。電気で大きなモーターを回しシールド機の各設備を動作させます。
機械自体は、油圧ジャッキを伸ばして進んでいきます。油圧ジャッキは150tが92本ついています。油圧ジャッキで前に押す時、土に当たっている部分でカッターと言う部分を回転させながら土を削り、この土をスクリューコンベアで後ろへ吐き出していきます。1サイクルは約2m程度で2m掘り進んだら、シールド機の中でセグメントを組立、地山が崩れないようにします。このセグメントを油圧ジャッキで押して前に進みます。これを繰り返して、今回工事約4,000mのトンネルを作ります。 |
Q.3 | 開削工法とシールド工法のメリットデメリット使い分け等 |
A. | 比較的浅いトンネルを作る場合、開削工法は安全で経済性の面から最も適した工法です。また、複雑な形状のトンネルや無駄のない断面を構築することにも適しています。シールドトンネルはもともと悪い地盤にトンネルを作るときの工法として発達してきましたが、最近では都市内の道路や鉄道を移設などせず深い場所にトンネルを作ることができるためシールドトンネル工法を採用することが増えました。 |
Q.4 | なんでトンネルは地下にあるんですか? |
A. | 阪神高速道路大和川線を作るところには南海、阪堺、JR西日本の経路などが通っています。高速道路を作るときにその線路などを動かさずにすむように地下のトンネルで作っています。 |
Q.5 | (シールド機は)どこから道具を持ってきているか? |
A. | シールド機は、川崎重工業の播磨工場(兵庫県加古郡播磨町新島8番地)で作っています。大きなブロックは工場でトレーラーに乗せて、フェリーで堺港まで運んできます。(下の写真参照)そこからは、特殊な大型トレーラーで夜中に現場まで運んできます。 |
船に積み込んでいるところ | 船で運んでいるところ |
Q.6 | 工事設備でのリサイクル率はどれ位ですか? |
A. | まず、資源の再利用には、設備をそのまま他で再使用、転用する「リユース」と、形を変化、加工させて他で再利用する「リサイクル」があります。
シールド機などの工事設備は現場条件により変化しますが、大きく分けて以下の4つに分類されます。
(1)ジャッキやモーターなどの機械部品(全体の10%程度) (2)本体を構成する鋼材部分(全体の75%程度) (3)トンネルの一部として地下に残す部分(全体の10%程度) (4)ゴムホースなど廃棄する部分(全体の5%程度) (1)が「リユース」にあたります。(2)は再利用可能な鉄(スクラップ材)として再利用されるので「リサイクル」にあたります。大まかに言うとシールド機などの機械設備の約85%程度が再利用可能ということになります。 |
Q.7 | 高速道路の開削区間の切梁の安全率はいくらか? |
A. | 切梁は土留め用仮設鋼材(H鋼等の形鋼)を用いており、軸方向圧縮力と曲げモーメントを同時に受ける部材として、短期許容応力度を用いた座屈の照査により部材照査を実施しています(鋼材の基準降伏点に対する安全率は1.12)。
なお、高速道路の開削区間と一般的な開削区間に用いる切梁の安全率は変わりありません。参考として、遠里小野第2工区開削トンネル工事開削区間における、土留め計算による切梁の座屈照査結果は0.6〜0.9程度ですので、鋼材の基準降伏点に対する安全率は1.2〜1.9程度となっています。 |
Q.8 | 路面電車は道路に線路がなければ通れないのですか? |
A. | 阪堺電気軌道株式会社を始め、現在日本で営業している路面電車は、線路がなければ通行することができません。自動車のゴムタイヤと違って、鉄のタイヤにある「フランジ」と呼ばれる出っ張り部分を、線路の内側に沿わせることで進行方向へ案内しているため、線路が無ければ走れないのです。
ところで、昔は日本の都市部にも、線路がない路面電車のようなものが走っていたのはご存知でしょうか。「トロリーバス」という乗り物で、線路ではなく道路の上をゴムタイヤで走るため、見た目はバスそのものです。ただし、バスと違って、路面電車と同様にトロリー(架線)から電気を取ることで走ります。このトロリーバスは、乗り物の決まりを定める法律では、鉄道の1種類とされています。現在では富山県にある黒部ダムに、トロリーバスを使っている鉄道路線が残っています。もし機会があれば、乗られてみてはいかがでしょうか。 |
Q.9 | 見学場所が変わったのはなぜですか? |
A. | 当初予定していた淀川左岸線の工事現場の状況が変わり、見学できない状況となりましたので、淀川左岸線と同じトンネル工事を行っている大和川線の工事現場を見学していただきました。 |