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■ 受賞者 ■ |
■ 受賞業績内容説明 ■ |
オールフリー形式長大斜張橋の大変位・大反力に適応するダンパーの開発 |
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阪神高速道路株式会社神戸管理部 |
合築による渋滞と浸水の同時解消〜限られた市街地スペースの有効活用〜 |
大阪府枚方土木事務所 |
厳しい地盤条件を克服しスーパー中枢港湾を支える『夢咲トンネル』の建設 |
国土交通省近畿地方整備局大阪港湾・空港整備事務所 |
JR姫路駅付近連続立体交差化事業 〜播但線・姫新線高架化完成〜 |
西日本旅客鉄道株式会社
兵庫県 姫路市 |
世界最大級円形ニューマチックケーソン工法による調節池の築造 |
大阪府八尾土木事務所
大林組・大本組・みらい建設工業・ベクテル共同企業体 |
LED道路照明灯の開発及び青白色LEDを活用した犯罪抑止効果等の研究 |
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大阪府茨木土木事務所 |
大阪の大動脈を支える鳥飼大橋の架け替え |
大阪府枚方土木事務所
大阪府茨木土木事務所 |
<技術賞>
オールフリー形式長大斜張橋の大変位・大反力に適応するダンパーの開発 | |
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阪神高速道路株式会社神戸管理部 | |
東神戸大橋は、阪神高速道路5号湾岸線に架かる橋長885m、中央径間長485mの鋼斜張橋で、桁はダブルデッキワーレントラス形式、塔はH型、ケーブルは2面吊12段のハープ形式となっている。桁の支持形式は、橋軸方向を全支点可動とするオールフリー、橋軸直角方向は全支点で固定している。
今回、レベル2地震動(将来想定される巨大地震動)に対する耐震性照査を行ったところ、橋軸方向に許容変位量の2〜3倍に相当する変位が発生し、必要な性能を確保できなくなることがわかった。そこで、産官学連携により新たな橋軸方向変位制御装置を開発し、トラス桁(約14,000t)の地震時変位抑制と減衰機能を付加することに成功した。開発した変位制御装置は、抵抗力を与える「拘束ケーブル」と減衰を付加する「超高減衰積層ゴムダンパー」を組み合わせて一つの免震システムとしたものである。このようなシステムは前例がないため、採用にあたっては縮小モデルによる性能確認実験を行い、有効性を検証した。 この装置の設置により、巨大地震時の緊急輸送路である阪神高速湾岸線の機能が確保でき、今後は他橋への応用が可能と考えられる。 本業績は、縦置きの積層ゴムと拘束ケーブルを組み合わせた独創的なダンパーを新たに開発したこと、他の長大橋梁の耐震性向上に寄与できる可能性があること、実験により有効性を確認し実用化に至っていることなどを評価された。 |
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東神戸大橋に設置されたダンパー | |
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<技術賞> 合築による渋滞と浸水の同時解消〜限られた市街地スペースの有効活用〜 | |
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大阪府枚方土木事務所 | |
千里丘寝屋川線立体交差事業(事業費約17億円)は、京都守口線の慢性的な渋滞の緩和を図るため、都市計画道路千里丘寝屋川線と府道京都守口線が交差する新宝町交差点において千里丘寝屋川線を立体交差化するもので、橋長116mの3径間連続開断面箱桁橋、その両側に橋長48mの2径間連続中空床版PC橋×2橋(橋梁名:新宝町跨道橋)を整備した。
また、この地域は降った雨が自然に河川に流入しない内水域で、浸水常襲地域として地元より浸水被害の早期解消が望まれていた。このため、流域調節池事業(事業費約38億円)として、交差点北側の橋梁の地下部に、貯留量16,000m3を有する調節池(大雨時に一時的に雨水を貯留する施設)を、新宝町跨道橋基礎との一体構造により築造し、貴重な市街地の地下空間を有効活用した。 これらの事業により、渋滞緩和と大雨による浸水被害の軽減という、この地域の2つの大きな課題を一挙に解決し、さらに、この合築の相互効果により橋梁基礎構造の削減や調節池浮力対策の削減等で、合計約3億5千万円の事業費を削減するとともに、今後の調節池候補地選定に対して大きく可能性を広げた。 本業績は、渋滞と浸水の2つの課題について橋梁と調節池の合築という独創的な方法で解決を図っていること、合築により限られた都市空間の有効活用とコスト縮減が図られていること、地域の利便性及び安全性向上に大きく寄与していることなどを評価された。 |
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新宝町跨道橋架設完了、(右下)仁和寺調節池完成(調節池内部) | |
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<技術賞> 厳しい地盤条件を克服しスーパー中枢港湾を支える『夢咲トンネル』の建設 | |
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国土交通省近畿地方整備局大阪港湾・空港整備事務所 | |
夢咲トンネルは、スーパー中枢港湾阪神港(大阪港)の中核機能となる夢洲コンテナターミナルを整備中である夢洲(ゆめしま)と港湾機能の中心である咲洲(さきしま)を直結するために建設された施設延長約2.2km(うちトンネル部約1.5km)の臨港交通施設である。
特に、着工当初海面であった夢洲側については、夢洲地区の開発と並行して工事を進める必要があり、工程上、埋立直後の超若齢地盤下での大断面開削施工を余儀なくされた。このため、掘削工事時には土留鋼管杭の変位などが発生し、地盤条件の詳細な把握や応力軽減対策を検討実施しながら施工を進める必要が生じた。 また、海底トンネル部は多数の船舶が往来する主航路を横断する位置にあることから、大阪港を利用する船舶の安全な航行に配慮することが必要であり、船舶可航幅の確保、海上施工期間の短縮に努めるなどの工夫が求められた。 このような厳しい条件を克服し、平成21年8月に夢咲トンネルの供用を開始し、これにより両地区は直結され、大阪港臨海部の交通機能を飛躍的に向上させた。 本業績は、超若齢地盤の開削施工において土留鋼管矢板内部の補強や計測監視の強化を行い困難な工事を克服したこと、将来予想される地盤沈下による変位に対し沈埋トンネルの新たな継手構造等を開発したこと、交通ネットワーク上重要な施設を早期に完成させたことなどを評価された。 |
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供用開始後の夢咲トンネル(夢洲側坑口) | |
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<技術賞> JR姫路駅付近連続立体交差化事業 〜播但線・姫新線高架化完成〜 | |
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西日本旅客鉄道株式会社
兵庫県 姫路市 | |
本事業は、JR姫路駅付近の山陽本線・播但線・姫新線を高架化することで踏切を撤去し、交通の円滑化と市街地の一体化を図るものであり、鉄道跡地を活用した高度な土地利用と都市基盤整備の促進が期待される。鉄道高架は平成2年に工事着手し、平成18年の山陽本線高架化の後、2期工事を進め、平成20年12月に播但線と姫新線の高架切換を終え、全線の高架化が完成した。
線路切換のうち播但線取付部では旧高架橋の撤去と新高架橋の横取り架設という大規模工事を、限られた時間の中、かつてない厳しい許容誤差(鉛直−4〜+2mm、水平±5mm)のもと行う必要があったが、高架橋の位置調整機能の確保、基礎の沈下量予測、高架橋(SRC造)の出来形管理など事前に検討を積み重ね、難工事を完遂させた。 姫新線、播但線ともに営業線等で挟まれた狭隘な場所での施工であったが、「セメント改良補強土橋台」や「シートパイル基礎」等の新技術を駆使し、構造のスリム化を図り構築を可能とした。また、従来のラーメン橋台に代えて基礎連結式橋脚を全面採用し、耐震性を向上させるとともに、配筋競合箇所の減少による施工性向上を図り、品質確保を確実なものとした。 本業績は、綿密な検討と高い施工技術により列車運休を最小限に抑えつつ高精度で工事を完成させたこと、狭隘な箇所でセメント改良型補強土橋台等の新しい技術を駆使して構造物の築造を行ったこと、地域の道路渋滞の緩和や分断された市街地の一体化等に大きく寄与することなどを評価された。 |
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播但線電車が走る旧高架橋(当日撤去)と横取り架設する新高架橋 | |
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<技術賞> 世界最大級円形ニューマチックケーソン工法による調節池の築造 | |
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大阪府八尾土木事務所
大林組・大本組・みらい建設工業・ベクテル共同企業体 | |
低平な寝屋川流域の約3/4は、雨水が自然に河川に流れ込まない内水域となっており、降雨量が河川への排水能力を超えた場合には下水道等から水が溢れ出す内水浸水が多発し、大阪府を中心に総合治水対策の整備が進められている。
新家調節池は、大阪府八尾市北西部における10年に1度の確率でおきる大雨時に、流域下水道の能力を上回る雨水を一時的に貯留する外径50.6m、深さ49.8mの容量約50,000?の円形の地下調節池である。大深度大型地中構造物を精密機械工場が隣接する市街地に構築する必要性から、広い作業ヤードを必要とせず、地盤・地下水等の周辺環境に及ぼす影響が小さいニューマチックケーソン工法を採用した。また、本事業はこの工法での円形構造物としては世界最大級の底面積を有している。 ケーソンの沈設にあたっては、急激な沈下や傾斜、作業員の高気圧障害の発生、ケーソンショベルの無人掘削時の接触等のリスクが想定されたため、ケーソン躯体や、地盤等の計測管理を綿密に行うとともに、作業員の入函管理システム、ケーソンショベル衝突防止システムを導入した。 また、躯体コンクリートの築造では、温度応力によるひび割れの発生が懸念されたため、低熱セメントやひび割れ制御鉄筋等を用いるとともに、初期掘削の沈下及び傾斜抑制対策として、サンドマットの敷設や圧気の早期開始等を実施し、高耐久で高品質な構造物の築造を行った。 本業績は、計測管理システムや入函管理システム等を駆使して総合的な沈設管理を行って高い精度と作業員の安全を確保しつつ困難な工事を完成させたこと、ひび割れ制御や初期掘削対策を実施して高品質な構造物を築造したこと、地域の浸水被害の軽減に大きく寄与することなどを評価された。 |
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新家調節池 ニューマチックケーソン工法施工状況と完成パース(左上) | |
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<技術賞特別賞> LED道路照明灯の開発及び青白色LEDを活用した犯罪抑止効果等の研究 | |
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大阪府茨木土木事務所 | |
安全性確保、環境負荷低減、維持管理費軽減等の長所を併せもつLED道路照明灯について、平成17年度より、全国に先駆け開発等を行ってきたが、放熱技術、高効率の灯具、照射技術等の点で課題があった。
しかし、研究を重ねた結果、小灯具を複数個配置し、必要な各方向に照射できる機能を持たせ、また、それらをアルミで屋根のように覆うように一体化させて、小灯具と覆いの間に空気層(自然放熱層)を設けることにより、これらの課題を解決した先駆的な灯具が開発できた。 これにより、全国的にLED道路照明灯の普及が加速するとともに、身近な公共施設照明でのLED化が進み、国民への環境啓発に繋がることが期待される。 また、平成18年度より、心理、生理学の面から、室内外で青白LED灯と橙色のナトリウム灯との比較実験や、印象評定及び住民への心理学アンケートなどの研究を行い、青白LED照明が交通事故防止や犯罪抑止に効果があることが認められた。 本業績は、多くの課題を解決し先駆的にLED道路照明灯の実用化を果たしたこと、これらの技術を活かし今後の普及発展が期待できることなどを評価された。 | |
新しい灯具、右:青白LED現地実証試験状況 | |
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<技術賞特別賞> 大阪の大動脈を支える鳥飼大橋の架け替え | |
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大阪府枚方土木事務所
大阪府茨木土木事務所 | |
大阪圏の交通の大動脈・主要地方道大阪中央環状線の鳥飼大橋(北行)は、わが国初の有料道路橋であり、一級河川淀川を渡る橋梁として、昭和29年に架設された。
現地は1日の交通量が9万台を超え、慢性的な渋滞が発生するとともに、近年の車両の大型化も加わって橋の老朽化が進行したことから、抜本的な対策が必要となった。検討の結果、車道を2車線から3車線に拡幅して交通の円滑化と耐震性の向上を図るため、橋梁を架け替えることとし、平成22年2月28日に車道3車線化の供用を開始した。(歩道は今後、旧橋撤去後に整備予定) 新たな橋梁は、前後の取付道路や河川の計画高水位等の制約条件から、橋梁形式を9径間連続鋼床版箱桁橋とし、径間を既存の橋梁群とあわせるとともに橋脚断面を小さくして、河川阻害率の低減に努めた。 また、淀川河川区域内での作業となることから、渇水期内に準備工から後片づけまでを終える必要があり、低水敷の下部工基礎は鋼殻ケーソン(ニューマチックケーソン工法)を採用し、上部工は合理化鋼床版(ボルト継手)とするなどの工期短縮の工夫を行い、疲労対策・コスト縮減等にも考慮した。 本業績は、淀川渡河部等の諸制約の下で優れた計画や施工によって困難な工事を完成させたこと、道路ネットワークの耐震性向上や物流機能の強化に大きく寄与することなどを評価された。 | |
渡り初めの状況(平成22年2月20日)[一番手前が新しい橋梁] | |
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